モバイルインターネット技術の発展に伴い、インターネットに載せられたものは、モバイル化、ソーシャル化、断片化など新たな特徴が現れています。一方、これらの新しい特徴とともに、知的財産権の侵害手段も変化しつつあり、知的財産権の保護へ新しい挑戦をもたらしています。
インターネットにおける知的財産侵害行為は高い機動性を有しており、政府や公安部門、行政部門だけでは侵害行為を取り締ることは難しい現状にあります。そのため、ここ数年中国国内では、テンセントなどの大手のIT企業は、先端技術を採り入れてプラットフォームの管理方案を制定し、関連部門と連携・協力しつつ、知的財産権侵害行為の打撃強化のための措置をとっています。
そのうち、中国で最も人気のある社交アプリ「微信」(WeChat)は、ここ数年の間、知財保護の新対策を探りつつあり、より全面的な知財保護体系を築き上げました。
2019年10月29日、テンセント社は「インターネットによる社交プラットフォームの知財保護フォーラム」で、『2019年WeChat知的財産権保護に関する報告書』(以下は「報告書」をいう)を発表しましたので、その内容をご紹介します。
「2019年WeChat知的財産権保護に関する報告書」 の内容
この「報告書」では、以下のことが重点的に記載されています。
知的財産保護の実績
当該「報告書」によりますと、
- 2018年及び2019年前半の間にWeChatの知財保護チームは、知財侵害の疑いのある個人アカウントを11万件以上処理し、著作権侵害に関わる公式アカウントの文章合計15万件以上を削除しました。
- 公式アカウントやWeChatミニアプリに対して、権利侵害に関わる内容の削除、アカウント削除等の措置を取り、6万件以上を処理しました。
- 国家著作権局の「剣網行動」に協力し、映画著作権の保護行動を7回行い、海賊版映画を含めた公式アカウントの文章合計1.8万件以上を処理しました。
インターネットによる知的財産権の保護は、ネットサービス提供者の協力に欠けてはなりません。これから、政府、公安部門、行政部門が各ネットサービス提供者と更なる密接な協同関係を作り上げ、オリジナル作品への保護を強化していくと思われます。
(北京恵利爾商標代理有限責任公司)