中国著作権法における保護対象の著作物
中国著作権法において保護対象とされる著作物は以下の9種類とされています。
文学、芸術及び科学領域内において独創性を有し、且つ一定の形式をもって表現できる知的成果とされています。
- 文字による著作物(文学作品、論文など)
- 口述による著作物(講演など)
- 音楽、演劇、演芸、舞踊、曲芸芸術による著作物
- 美術、建築による著作物
- 写真の著作物
- 視聴作品
- 工事・建築設計図、製品設計図、地図、見取り図などの図形による著作物及び模型の著作物
- コンピュータソフトウェアの著作物
- 作品の特徴に適合したその他の知的成果
中国著作権物に関する権利の内容
著作権(著作財産権)
- 複製権: 印刷・コピー・録音・デジタル化等により著作物を複製する権利
- 発行権: 販売等により公衆に著作物を提供する権利
- 貸与権: 有償で著作物を一時的に使用することを許諾する権利
- 展示権: 美術・写真の著作物を展示する権利
- 実演権: 著作物を実演する、実演した著作物を放送する権利
- 放映権: 放映機材等を用いて、視聴作品等を公開・再現する権利
- 放送権: 無線・有線の方式で著作物を放送・伝達等する権利
- ネットワーク伝達権: 有線・無線の方式で公衆に著作物を提供等する権利
- 撮影製作権: 映画等を媒体に固定させる権利
- 翻訳権: 著作物を他の言語に翻訳する権利
- 翻案権: 著作物を改変して新たな著作物を作り出す権利
- 編集権: 著作物(またはその一部)を選択等して、新たな著作物として編集する権利
- その他の権利:その他著作権者が享受すべき権利
著作者人格権
- 公表権: 著作物を公表するか否かを決める権利
- 氏名表示権: 著作物に氏名を表示する権利
- 改変権: 著作物を改変し、または他人に改変させる権利
- 同一性保持権: 著作物を改竄等されないようにして同一性を保持する権利
著作隣接権
著作物に関する出版者、実演家、レコード製作者、放送事業者等の権利を保護するため、日本と同様に著作隣接権が認められています。
- 出版権:
契約により発生する排他的な出版権
出版した図書・定期刊行物の版面設計の使用に関する権利
(※版面設計権は日本の著作権法では規定されていない権利です)
- 実演家の権利:
氏名表示権/同一性保持権/生放送・中継に関する権利/録音・録画の許諾に関する権利/
録音・録画物の複製等に関する権利/インターネット等を通じた伝達に関する権利
- 録音・録画製作者の権利:
録音・録画物を、複製、頒布、貸与、インターネット等を通じた伝達などの権利
- 放送事業者の権利: 著作物を改竄等されないようにして同一性を保持する権利
放送するラジオ及びテレビ番組の中継放送すること/
放送するラジオ及びテレビ番組の録音、録画及び複製すること
放送するラジオ及びテレビ番組をインターネットにより公衆に伝達すること
保護期間
著作権(著作財産権)と公表権の保護期間(原則)は以下の通りとなっています。
自然人の場合
- 著作者が死亡した日から50年を経過した年の12月31日まで。
(※共同著作物の場合は、最後に死亡した著作者の死亡日から50年を経過した年の12月31日までとなります)
法人の場合
- 最初に公表された日から50年を経過した年の12月31日まで。
- 公表権は著作物が完成した日から50年を経過した年の12月31日まで。
※著作者人格権のうち、氏名表示権、改変権、同一性保持権については無期限とされています。
視聴作品について
- 最初に公表された日から50年を経過した年の12月31日まで。
- 公表権は著作物が完成した日から50年を経過した年の12月31日まで。
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